創る側のこだわりは、かならず使い手にも伝わるものだ。創り手よ大いにこだわってくれ!

μ1030SWは最高のタフギア

砂塵だって怖くない
高い耐衝撃性
氷点下-10℃でも作動するタフネスさ

SWシリーズはカメラにあらず
   究極のアウトドアギアだ!


SWシリーズの系譜

 2006年3月、初代SWシリーズμ720SWが登場、3m防水、1.5m落下に耐える耐衝撃構造、完璧な防塵構造(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)とコンパクトデジタルカメラの可能性を切り開いた。既に生活防水はコンデジに搭載しているオリンパスは、充分なノウハウを持っていたが耐衝撃性と防塵構造は越えねばならない大きな障害だった。

μ720SWSW伝説はμ720から始まった
 例えば完全に衝撃材で覆ってしまえば内部から発生した熱の逃げ場がない。かといって専用の窓を設ければ、そこから水滴や埃が内部に進入してしまう。コンパクトカメラという枠組みの中にどう組み込むかが開発チームの腕の見せ所だったに違いない。こうして完成した初代SWは、メーカー予想を大きく上回る大ヒット商品となった。

 それから、これだけは付け加えたい。化粧パネルを留めている3本のネジ。普通ならば+-のネジを使用するだろうが、わざわざステンレス製の6角ネジを使用している。コストを削ることを要求される昨今、ギアっぽさを前面に出したところは格好いい。(この精神は忘れないで欲しい。僕はこのネジを使用する限り、SWシリーズを買い続けることを約束する!)

 11月に登場した2代目μ725SWは、3mから5mへ防水機能を進化させ、同時にレンズに撥水コーティングを施した。

μ725SWレンズ撥水コート採用と防水2mに進化したμ725SW
 2007年3月に登場した3代目μ770SWは、フルモデルチェンジ。水深10m(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)、耐荷重100kgf、耐温度-10℃を実現。さらにLEDライトや圧力センサーによる高度表示を搭載し、SWシリーズの完成形に限りなく接近する。

 同時に720→725と続いたボディに別れを告げ、細かなキズが付き難いステンレス製ボディを新採用、重量にして6g、ボディサイズもコンマ数ミリ大きくなったのは、耐荷重に耐えうる対策の結果と言えるだろう。8月には水深を1.5mに押さ手軽さをアピールしたカラフルなニューシリーズμ790SWを発売した。

μ770SWμ770SWは耐荷重100kgfを実現、ワンタッチライト機能や圧力センサーを搭載しアウトドアギアに
 9月には4代目μ795SWを発表、顔検出機能などカメラ機能の向上にとどまる。翌年2月にはカジュアルなμ790SWのマイナーチェンジ、画素数800万画素、水深を3m防水としたμ850SWを発売した。

μ795SWμ795SWは顔検出機能を追加したマイナーチェンジモデル

開発コンセプトは極めてシンプル

 SWシリーズのルーツは、レンズがボディ内に収める折り曲げ式のAZ-1にある。AZ-1をベースに、高いボディ強度、防塵・防水など、コンデジの常識を覆す機能を盛り込んでいった。

CAMEDIA AZ-1SWシリーズの原型になったCAMEDIA AZ-1
 シリーズ名"SW"は「SHOCK」と「WATERPROOF」の頭文字をから命名、開発コンセプトは3つ。1)タフさの追求、2)カメラとしての基本性能の向上、3)使用するシーンの提案と、極めて単純にしてシンプル。
 開発者は「カメラを開発している意識はない。作りたいのはアウトドアギアで、アウトドアに出るときの定番アイテムになるような商品を提案していきたい」と語っている。

最終型μ1030SWは完成形に到達

 現行型の5代目μ1030SWは、2008年3月に発売開始。耐衝撃2mとタフ性能を向上させ、2.7型液晶、1010万画素、28mmワイド、26種類のSCNモード、顔検出機能、カメラ内パノラマ合成、ムービー、スーパーマクロ、アラーム、ディアルタイム表示などタフネス+基本性能を向上させながら正常進化、μシリーズのフラッグシップを名乗るに恥じない最高モデルへ到達した。

μ1030SWSWシリーズの完成形と断言できるμ1030SW、ギアとしての道をひた走る
 新たにスクエアデザインを採用したステンレスボディはに、贅沢な鏡面仕上げパーツを驕り、ボディはズッシリと塊感がある173g。monoとしての完成度、所有欲という観点からは申し分ない。アウトドアアイテムという点では軽い方が良いが、ハンドリングは悪くない。要は好むか否かにかかっている。(個人的にはこの重さが好きだ!)
 細かな点では、シャッターボタンを大型化。質感、操作性とも格段に向上している。SWシリーズの横長タイプのシャッターは、確実に押しやすい点も優れている。

 ここで改めてタフネス振りをチェックする。

・防水10m(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)・・・今までならば防水プロテクターが必要だった水中写真が、簡単手軽に撮影できる。操作は陸上と同じ、液晶を見ながら画像をチェックできるので失敗はない。不意の降雨、手が滑って水没だって怖くない。

・耐衝撃2m/100kgf耐荷重構造・・・象が踏んでも壊れない。実際に象に踏ませる実験をしたとかしないとか。

・防塵構造(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)・・・細かな砂塵が舞うアウトドアでこそ、SWシリーズのステージ。本来の輝きを発する。

・耐温度-10℃・・・デジカメは0~40℃が一般的。開発チームは全てのパーツ毎に検証、-10℃での作動を補償している。南極やマッキンリーでもその実力の高さを発揮した。

・焦点距離(35mmカメラ換算) 5.0mm~18.2mm(28mm~102mm)・・・28mmからのワイド撮影が可能。コンデジでいち早くワイド化を達成した。

 カメラの機能として面白いのは、カメラ内で3枚の写真をパノラマ合成できる機能。接合部が適切な位置にくると自動シャッターを切ってくれる優れものだ。

μ1030SWでパノラマ撮影μ1030SWなら3枚の連続写真をカメラ内で自動合成、簡単にパノラマ撮影が可能
ムービーモードには通常と水中の2モードを用意、サイズは640x480、記録方式はAVI(MotionJPEG)となっている。

クリックで、μ1030SWで撮影した動画再生μ1030SWを使用してチュームストン準州立公園で動画撮影「2000mを目指す」LinkIcon
撮影場所:PanoramioへLinkIcon

 内蔵LEDライトを点灯させることで、真っ暗闇の撮影も可能。被写体に2cmまで寄れるスーパーマクロなど多彩な機能も搭載している。電源オフの状態でも、内蔵LEDを点灯させることができるのでハンディライトとしての機能もある。

内蔵LED以外と重宝するLEDライトは撮影だけでなく、電源OFF時にも使用できる
 更に、内蔵した圧力センサーにより、水深7mを超えるとアラームが表示される。深度は-10mまで0.5m刻み、同センサーを用いてMAX高度5000mまで200m刻みで液晶に高度を表示、画像再生時に確認も可能。また、Exif(エグジフ:Exchangeable Image File Formatの略)データーに書き込まれ、オリンパスの付属ソフトで確認することも可能だ。

 因みに工事現場や建築現場での仕様を前提に、一部の機能を変更したモデルも揃えているので、仕事との併用を考えている方はオリンパスのホームページをチェック。

タフシリーズはどこに行く?

 2008年8月、カジュアルなμ850SWの後継機μ1050SWが登場。スライドカバーの採用でデザインを一新、スタイリッシュ&アダルトな路線に移行した。グローブをした手でも操作しやすい「タップコントロール」を新たに搭載、スキー場などでグローブをした手でも操作がし易いよう配慮した。アダルトだけどスポーティ、SWシリーズの心は忘れてはいない。開発コンセプトにある「使用するシーンの提案」という課題を、明快な形にした。

 そこで気になるのが次期μ1030SWの行方だ。オリンパスのスケジュールでは2008年の後半(9月か11月)が既定路線だったが、まだ新製品の情報は聞こえてこない。どんなシーンを提案してくれるのか。どんな驚きの機能を搭載して来るのか。

 全く根拠のない個人的な妄想としては、気圧センサーのセッティングを替え高度計表示を10m刻みとし、気圧変化による天気予報機能を搭載。さらに電子コンパスを新たに搭載し、オプションのソーラーパネルを購入すれば、アウトドアに居ながら太陽光から充電可能となる。
 ボディは、完成度が高い現行μ1030SWから受け継ぐ。しかしここにも隠し球がある。化粧パネルは、2006年9月に発表した「三次元圧縮成形加工技術」ニュースリリースLinkIconを用いた高価な木製パネルを装備。製品ごとに木目が違うことで、製品に対する愛着も一入、サイクルが早いコンデジに持つ喜びを注入しつつ、間伐材などを使用することで環境フレンドリーな優しい製品になる。

三次元圧縮成形加工技術木片を圧縮することで、高強度かつ見事な曲線を持つ部品を製造できる
 こうしてSWシリーズは、完全無欠なアウトドアグッズに到達する。そして販売は家電量販店から、スポーツショップのみの販売となる。或いは、既存の販売店には、従来型の化粧パネルを用いた廉価版を流通させ、差別化を図るというのも一案だ。

そこでしか撮れない写真

 gaiko waoldのサブタイトルになっているこの言葉。SWシリーズは、様々なアウトドアフィールドに飛び出す。
 誰でもその気になればいけるような場所を、誰でも手に入るレベルの機材を持って訪れる。そして、それぞれの視点で感動や美しさ、絶妙のタイミングを収めていく。用意された環境ではなくて、そこにいる者にしか訪れない最高のチャンス。芸術作品としてではなく、感動の記録としての写真。まさにSWシリーズは、そのためにある道具なのだ。